北極圏入り


IVALO AIR PORT

ヘルシンキからNORWAGIANで1時間半、フィンランド北部のイヴァロ空港に到着。

ここから予約していたマイクロバスで、イナリ湖畔のホテルに向かう予定だった。が、他の乗客とまったく同じタイプのスーツケースを取りちがえ、そうこうしているうちに、予約していたバスに乗りそびれる。

しかたがないので、タクシーを手配し、空港で待つこと30分。到着したのは、母親世代の女性が運転するベンツのタクシー。空港を出発してしばらくすると、ショッピングモールでもうひとり、地元のお客さんをピックアップ。常連だろうか。タクシーに乗るなり運転手と親しげに話をはじめた。

フィンランド語の井戸端会議は大いに盛り上がり、最初は「ヤー」だった相槌が、ある時点で「リー」に変わると、そのあとはずっと「リー」。いったい何を話しているのだろう?フィンランド語の音韻は軽やかで、聴いているだけでも愉しい。思えば、フィンランドに着いてから、ほとんど英語しか聞いていなかった。

生のフィンランド語の音を存分に浴びて、1時間ほどでホテルに到着。イナリ湖は氷と雪で覆われ、真っ白な平原のよう。ここで2泊。オーロラは見られるだろうか。

Lake INARI

午後のコンサート

一度は機材を持って宿から出たものの、霧の深さに撮影を諦め、トゥルク郊外にある聖ヘンリー・エキュメニカル礼拝堂(Pyhän Henrikin Ekumeeninen Taidekaapeli)へ。

市街地の中心にあるmarketplaceから54番のバスに乗り、MERI-KARINAで降りて歩くこと数分、銅板で覆われた建物が現れる。

ART CHAPEL

中に入ると、ちょうどピアノコンサートのリハーサルをしていたところで、「もし時間があれば…」と勧められるまま、コンサートを聴くことに。

ART CHAPEL

木の描くゆるやかなカーブ、そこに射し込む光の織りなすグラデーション。みなぎる緊張感に依った美しさではなく、やわかい空間に居心地の良さと美しさが共存しているのが素晴らしい。

ART CHAPEL

コンサートはささやかなものだったけれど、休日の午後のひとときをおすそわけしてもらったようで、嬉しかった。

8 Marta

数日前から、街にはミモザの花売りがにわかにふえはじめ、なんだろう?と思っていたら、今日、3月8日は国際婦人デー(International Women’s Day)だそう。地下鉄でも街でも、花を持って歩く人の多いこと。

8 Marta

調べてみると、ここペトログラード(サンクトペテルブルグ)で起こった国際婦人デーのデモが2月革命の口火となり、帝政の崩壊へとつながった。そのロシア革命が99年前のこと。

そして、警官隊によるデモへの発砲があったのがこのネフスキー大通り(Не́вский проспе́кт)。

8 Marta

度重なる予定変更でこの時期の渡航になったけれど、99年目のこの日にこの場所に居合わせたことに、ちょっとぐっとくるものがあるなぁ。

まちなかのマトリョーシュカ

vatrushka

付近にクロンシュタットへ向かう乗合バス(マルシュルートカ)の乗り場があり、目印にしていたChyornaya Rechka(Чёрная рéчка) 駅前のスタンド。マトリョーシュカの看板が遠目にも目立つのがありがたい。ヴァトリューシュカとピエロギを扱っているスタンド。


毎日、同じ場所で撮影をしていると、たまに、興味深いものが画角に入ってくることがある。本日は、マトリョーシュカをあしらったミキサー車。もちろん回りながら走っている。回転するマトリョーシュカ…

こちらはフォンタンカ川のほとりにて。

mat-mixer

ロシアの雪遊び

街でよく見かけるのは、このタイプの木に雪をあしらったもの。クロンシュタットの遊歩道ではじめて見たときは、たまたま雪がそういうふうにはりついたのかな?と思ったけれど、いくつか同じようなものを見かけたので、“雪遊び”だと確信。

play in snow

こちらはベースに色をつけている。

play in snow

お気に入りは、毎日通るChyornaya Rechka(Чёрная рéчка) 駅前に生息する木にへばりついた動物。しかも、この動物の脚がはずれたりしていたら、通りすがりの子どもがちゃんと補修していた。

play in snow

雪遊びといえば、雪だるまやかまくらのような立体造形(3次元)しか思い浮かばなかったけれど、平面を支持体にした2.5次元の造形もあることをはじめて知る。雪遊びにもお国柄があるのかな。興味をそそられる。

要塞の遺構とフィンランド湾

「森へ行くつもりだけど」というレジデンスキーパーに頼んで一緒に連れて行ってもらったのが、コトリン島の西の突端。

“Forest”ということばの響きから、雪に覆われた森ののどかなようすを想像していたのだけれど…道なき道を車で進み、車を置いてさらに歩くこと数十分。目の前にあらわれたのは、要塞の遺構とフィンランド湾。

WEST END OF KOTLIN ISLAND

“Rif”と呼ばれるこの要塞は、2014年5月までは軍による立入制限区域だった場所。現在は一般に開放されている。

要塞からのぞむ海。反射する陽射しがまぶしい。

finland gulf

雪で隠れて気づかなかったけれど、どうやら砲郭の上を歩いていたらしい。

FORT RIF

ようやく雪が。

聞くところによると、1月には-25度まで下がったというのに、到着した2月10日の時点で雪はほとんど残っておらず。

気温も3度と例年より高く、レジデンスキーパーに「このまま春になるかな」と茶化され不安に思っていたところに、ようやく雪が。

ここは、Summer Garden (Летний сад)。高い木立が印象的なこの場所は、夏にはどんな姿を見せるのだろう。

Summer Garden